失恋は、人生で3本の指に入るほどの辛い出来事だと言われています。
特に20代後半あたり、周りが結婚ラッシュな中の失恋だとなおさら。かく言う私も27才で同棲解消、大失恋をしました。時間がたった今でも、思い出すと心臓が苦しくなります。
この失恋によって体調を崩し、将来への希望もなく、仕事にも身が入らず、やるせない日々を送っていた私ですが、今は元気に回復しています。助けてくれたのは、これから紹介する本たちでした。
人によって感じ方は違いますが、私がこれらの本に救われたのは事実です。元気が出る本、自分としっかり向き合える本、また前を向こうと思える本。
将来が急に見えなくなり、この先どうしようと苦しい気持ちでいるあなたに、ぜひ読んでいただきたいです。
失恋した心を癒してくれた、おすすめ本4選
失恋したときは、「なぜ今こんなに辛いのか?」「どうして彼に対してあのような言動をしてしまったのか?」「これからどうするべきなのか?」など、とにかく後悔や疑問が尽きないと思います。私もそうでした。一日中そんなことばかりを考えて、落ち込んで、泣いて、の繰り返しです。
この時期、私はよく図書館に行っていました。もともと本が好きというのもありますが、一人で居られる静かな場所を求めていたんだと思います。そのときにふと手にしたのが、「心」について書かれた本でした。
『心の状態やメカニズムを知ることで、自分の心を客観視することができる。』
そう気づきました。なぜこんなに辛いのか、どうしてあんな言動をしてしまったのか、などの気持ちに対して、『それは「心」がこういう動きをしていたからだ』とその本は答えをくれました。
心の状態を知ることで、冷静さを少しずつ取り戻すことができます。いま思えば、これは私が失恋を乗り越えるための第一歩でした。
おすすめの本①『心はどこへ消えた?』東畑開人(著)
「心」とは一体何なのか。そんな問いから、自分の心と向き合える本です。
著者は、臨床心理士の東畑開人さん。これまでの臨床やカウンセリングの経験から綴られた一つ一つの物語は、物語とは思えないほどリアルで、そして自分に重なります。内容は失恋に限った話ではないですが、『誰しもみな、心に深い傷や取り返しのつかない後悔を抱えているんだな』と思える本でした。
この本を読む前は、「このままずっと辛い気持ちが続くんじゃないか」「前みたいに笑える日はもう来ないんじゃないか」というマイナスな気持ちを抱えていましたが、『辛いのは自分だけじゃないし、いつか必ず立ち直れる日が来る』と、少し信じられるようになりました。
おすすめの本②『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』東畑開人(著)
こちらも東畑さんの本です。①で紹介した本を読んで心が少し軽くなったので、2冊目も期待して読みました。実際、期待通り。
今回の本では、心が辛い状態の時にどういう考え方をしたらよいか、具体的に教えてくれます。文中で繰り広げられる具体的な物語も、失恋した自分とところどころ重なり、登場人物がだんだんと前向きになる過程に励まされます。心が辛い状態のときを、本書では「夜の航海」と例えられています。
自分の心と向き合うために、ぜひ読んでいただきたいです。
おすすめの本③『わたしの美しい庭』凪良ゆう(著)
凪良ゆうさんの本を読んだのはこれが初めてでしたが、大ファンになりました。そのくらい、失恋したときの自分に寄り添ってくれる内容でした。
結婚を期待されている39才独身女性、辛い別れ方をしたゲイカップル、過労で鬱になってしまった男性など、心に悩みを抱える人たちが主人公です。それぞれの事情を抱えながら、これが正解かわからないままに進んでいく。心の葛藤が鮮明に描かれていて、どれも目頭が熱くなる物語でした。
辛いことがあっても、間違っているかもしれないけど、自分で決めて進んでいく彼らに勇気づけられる一冊です。
おすすめの本④『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ(作)
こちらはマンガです。持病で仕事が続けられなくなった主人公は、とある団地に引っ越します。そこで「薬膳」と出会い、時折沈んでしまいそうになる自分を励ましながら、明るく生きていく姿が描かれています。
独身で持病もち、お金もない主人公に対して、「私の将来の姿なんじゃ…?」なんて思ってしまい、始めは読むのが少し辛かったです。でも、毎日の食事や団地の方との会話から自分の好きな事や気になることを見つけ、ちょっとずつ勇気をもって行動する主人公のことが大好きになりました。
今はふさぎ込んでしまっているけど「明日はこういう風に行動してみよう」と前向きに思える本です。ほっこりするテイストの絵なので、辛い時も無理せず読むことができます。
合わなかったら読まなくていい。ただ、一度手に取ってみてほしい
失恋の傷が癒えていない間、私は読む本を慎重に選んでいました。幸せだらけの本は、傷口に塩を塗るようなものだったからです。フィクションなのに、幸せな恋愛や結婚をしている主人公を見ると胸が締め付けられる思いでした。
だから、自分に余計な傷をつけないためにも、これから傷が癒えるまでの間だけは読む本を慎重に選ぶと良いと思います。
今回ご紹介した本はどれもやさしい本なので、どうぞ安心して手に取ってください。少し読んでみて、あんまり好きじゃなかったら閉じていただいて構いません。ただ、一度手に取ってみてほしいです。
あなたがまた、前向きに一歩進めますように。